「AMO'S STYLE(アモスタイル)」は、女性インナーウエアメーカー、トリンプ・インターナショナル・ジャパンが展開しているSPA(衣料品の製造小売業)型の下着ショップブランドだ。
「AMO'S STYLE」では、現在、携帯電話を利用して「『究極のランジェリー』下着開発プロジェクト」に取り組んでいる。
このプロジェクトは「AMO'S STYLE」のターゲットである10代後半から20代の女性が幅広い用途で携帯電話を利用していることに着目して企画された。顧客同士および、顧客とトリンプとのコミュニケーションの場である、モバイルSNS内に開設された「特設コミュニティ」で「あなたが欲しい下着ってどんな下着?」と投げかけ、戻ってきた声を商品開発に反映させている。
「特設コミュニティ」でのやり取りを見ていると、顧客が自分たちの意見が商品開発に反映されていく過程を楽しんでいる様子が伝わってくる。こういったプロセスは、確実に固定客づくりにもつながっているはずだ。今年11月にはEコマースをからませ、「究極のランジェリー」を「AMO'S STYLE」のウェブサイトで限定販売することになっている。これは、携帯電話を利用したユーザー参加型商品開発であり、新しいマーケティングのひとつの手法として、位置づけられる。
2社の例が示すようにウェブサイトは、顧客満足を推進させる大きな可能性を包含している。
では、ウェブサイトを使って顧客満足を最大限向上させるために、企業のウェブ担当者に求められることは何か。
特に重要なのは、(1)社内業務の一連の流れと、各部署の実情を把握できる現場感覚、(2)ウェブサイトを利用して何をしたいのかを明確にするビジョン構築力、(3)現場の状況を勘案し、どうすればウェブサイト上に効果的に情報提示をできるかを考えるマーケティング力の3点だ。これに加えてウェブに関する知識や技術も必要となる。
2000人以上の社員規模でもウェブ担当者は3人
企業のすべての業務が、大なり小なり顧客満足に結びついている。改めて言うまでもないが、顧客を満足させなければ、売り上げは確保できない。営業部に商品企画部やマーケティング部、カスタマーサービス部もそれぞれの役割の中で顧客ニーズに応える。製造現場などは直接顧客と接することはないが、品質向上に取り組むことで、顧客満足向上の一翼を担っている。
このように各部が独自に手掛ける活動と顧客との間を、ウェブサイトという企業の窓口で結ぶのが、ウェブ担当者だ。その際、各部の業務がわかっていないと必要な情報をわかりやすく発信することができない。部門をまたいだ現場感覚が必要なのである。