高かろうが安かろうが「買い続ける」べき

はっきりいえば「出遅れた一般人が今から金価格高騰のメリットを享受する方法」があるのか否かということだ。

結論から述べると「価格が高かろうが、安かろうが、買い続ける」べきである。金を保有する意味・意義を考えれば、その理由がわかるだろう。

金を保有すべき理由には、主に次の3つが考えられる。

①リスクヘッジ
②低金利時代の長期化
③インフレヘッジ
①リスクヘッジ

多くの一般人は、株式投資を資産形成の中心に据えているだろう。これ自体は正しい。しかし、理解していないことが2つある。

1つは、株式と金は逆相関にあるという点だ。株価が下げたときに、金は上げやすい傾向がある。これは統計で明確に証明されている。したがって、株式投資を行う際には、株価の下落リスクを緩和させるため、同額の金を保有するというのが本来「正しい姿」であると考える。

もう1つは、金投資のパフォーマンスは、過去20年で見ると株式投資よりも高いことだ。これもほとんど知られていない「事実」である。この点から、金投資を資産形成に含めないのは、むしろ大きな問題であるといえる。

②低金利時代の長期化

金には金利がつかないため、金利が高いときには現金に比べて保有コストが高くなる。しかし、今は世界的な低金利時代である。そして日米欧の中央銀行は、現在の低金利政策をこの先数年間は維持すると言明している。

金利を引き上げたり、あるいは現在行っている国債や社債などの資産買い入れ政策をやめたりすれば、金利が上昇し、経済に悪影響が出ることになる。現在のコロナ禍では、そのような政策の失敗は許されない。したがって、当面は低金利状態が続くことになる。これは、金を保有するうえで大きなメリットになる。

③インフレヘッジ

現時点でインフレリスクが顕在化しているわけではない。しかし、欧米などでは、「将来のインフレに備えるべき」との論調が少なからず聞かれる。

インフレになれば、現金の価値は自然と目減りする。現金を保有するよりも、何か物を買ったほうがよいことになる。その場合には、今も昔も第一に選好されるのが「金」である。

日本ですぐにインフレになるとは考えにくいところだが、「将来に備える」という観点を忘れてはならない。そもそも金投資は長期で行うものである。今日明日に収益を上げようと考えないことが重要である。