「都会の収入で地方暮らし」という最強の選択肢

以前は、地方移住すると文化や流行から遠ざかってしまうというデメリットがかなり強調されていました。しかし、「ZOZOTOWNやアマゾンで手に入らないものはない」「新型コロナがきっかけでアングライベントでも配信で参加できるようになった」とカルチャー面でのマイナスもなくなってきた。つまりコロナ以降は、地方移住のメリットがますます増大しているようです。

また、これまで地方移住する最大のマイナス要因は「地方の給与レベルが低いこと」でした。しかし、今回のニューノーマルでは、大企業に勤めながらリモートワークによって居住地を地方に移すことができるようになり、前提が変わりました。その意味では「都会の収入で地方暮らし」という人生の最強の選択肢が浮上したことになるわけです。

ここまでの状況を考えると、完全リモートワークができている人の場合は地方移住に踏み切りたいと考えるかもしれません。しかし、その判断は時期尚早かもしれない。なぜなら、これまであまり語られていない別のリスクが存在しているからです。

今回は地方移住する前の「6つのリスク」について指摘したいと思います。

あなたのスキルはリモートワーク向きなのか

リスク1 転職が難しい

今、多くの大企業が働き方改革に取り組んでいて、リモート会議や業務のデジタル化を進めています。その結果、あなたの仕事が完全リモートになって晴れて地方移住ができることになった。ここまでは良いでしょう。

大企業では、国からの指導もありリモートワークにできる仕事をこれから増やしていくでしょう。しかし、他の会社であなたと同じスキルを持った人が行っている業務が、あなたの会社と同じようにリモート化されているかどうかはわからない。なぜならば、どの業務をリモート化させるかは会社によって違うからです。ここにリスクが存在します。

IT企業に勤めていて特定の言語や分野のエキスパートであるといったように自分のスキルが明確で、かつそのスキルを持った人材はどの企業に移ってもリモートワークに向いているというような確信が持てる場合なら良いです。

しかし、「各営業所のリポートをまとめたうえで、課題を共有し各営業所に指導をする」といった業務をリモートで行っている場合、あなたが勤めている会社の業務フローやシステムのおかげでリモートになっている可能性が高い。

そのような場合に気を付けるべきことは、あなたには転職リスクがあるということです。あなたのスキルが専門性にあるのか、それとも社内の人脈や知識にその基盤があるのかを見極めておかないと、地方移住した後で別の仕事に転職しようとしても「地方在住では難しい」ということになりかねません。