また、大量の外貨をドルで供給してくれそうな国である日本に対しては、今後も通貨スワップ協定の締結を持ち掛ける姿勢に変わりはなさそうです。最近、韓国政府は日本に通貨スワップを暗に求めてきましたが、締結には至っていません。そもそも日韓スワップは、形式上は対等ですが、事実上は日本が韓国を助ける協定なのです。徴用工問題や対韓輸出管理の厳格化をめぐって韓国の反日感情が高まり、日韓関係が冷え込んでいるいま、日韓の通貨スワップ協定など可能なのでしょうか。

再開されることのない日韓通貨スワップ

2001年7月に始まった日韓通貨スワップは13年半続き15年2月に終了しています。その後、両国は再開に向けて議論をするとしていましたが、16年12月に元慰安婦や遺族らが損害賠償を日本政府に請求し、日本側は従軍慰安婦をめぐる日韓合意違反として「協議の中断」を通告している背景があります。また、元徴用工判決をめぐっては、韓国は日本企業の資産を差し押さえており、8月4日以降に韓国の裁判所の命令によって、現金化の可能性もありますので、悪化した日韓関係に改善の兆しは見られないでしょう。

昨年7月1日に、経済産業省が「ホワイト国」から韓国を除外する方針を示すとともに、特定品目である、「フッ化ポリイミド」「フォトレジスト」「フッ化水素」を包括輸出許可から個別許可に切り替えると発表しました。これを受けて、韓国の文在寅大統領が日本への依存度が高い素材・部品部門の国産化を進め「脱日本」を強調し、輸入品の日本依存からの脱却を図り、「国産化」の模索を進めてきました。

脱日本、日本製品不買運動の皮肉

日本への敵対心から、韓国で「NO JAPAN」「日本製品の不買運動」が始まって約1年になります。ユニクロ、日産、アサヒビールなどが韓国の不買運動の矢面に立ち、韓国事業から撤退する企業も出てきています。ただ、韓国中にあふれた「ボイコットジャパン」や「NO JAPAN」と印刷された横断幕、ステッカーなどの印刷をできる印刷機は実は、日本製しかなかったという事実もあり、不買運動ですら皮肉にも、日本企業の力を借りていたことになります。

また、国産化を模索していた素材に関しては、「フッ化水素」は輸入の日本依存からの脱却と国産化が徐々に進んでいるものの、「フォト・レジスト」や「フッ化ポリイミド」については輸入の日本依存からの脱却、国産化はどちらも難しい状況となっています。さらに、日本への依存度を下げたい韓国政府も、日系企業の国内誘致を受け入れており、「日本企業による国内生産」は容認せざるをえないのが現実なのです。