約4割は「1割減も覚悟の上」減っても、将来の新しい道につなげたい
A:
「週1日程度」(24.7%)
「週2日程度」(19.7%)
「週3日程度」(6.0%)
3つの回答をあわせると、全体の約半数の男性が業務時間および給与を削減してでも副業・兼業を行いたいという希望を持っていることがわかります。
給与減額の許容割合としては、多い順に、
「0%~10%未満」(38.8%)
「10%~20%未満」(25.1%)
「20%~30%未満」(18.6%)
減額割合が多くになるにしたがって、許容できる男性の割合は少なくなっていますが、約4割は「1割減も覚悟の上」というのです。多少の減額はしても、将来の新しい道につなげていきたい、あるいは、自分の今までのスキルの活用などへの意欲から、副業・兼業にチャレンジしたいという強い意欲を持つ方は思いのほか多いという印象です。
2:副業・兼業の受け入れを始めた地方自治体
数は多くはありませんが、一部の地方自治体では副業・兼業の受け入れを行うところも出てきています。北海道の余市町も、副業・兼業の受け入れを行った自治体のひとつです。
余市町では、ワインやフルーツなど、特産物などが豊富であるにもかかわらず、全国的な認知度が低いという課題を克服するために、2019年9月に、兼業・副業で、外部の人材を2人、戦略推進マネージャーとして受け入れることにしました。
余市町の戦略推進マネージャーは、余市町の食資源など豊富な資源を活用したブランド戦略を策定し、余市町の魅力を積極的に発信し、「余市ブランド」の価値を高めることが期待されています。
副業・兼業の仕事は、月4日程度、報酬は、旅費を含めて月14万円と定められています。現状分析やブランド戦略立案、情報発信などが主な業務であり、成果を出すことが重視されています。余市に往訪するのは2カ月に1回程度と定められていますが、成果が出ていればこの限りではなく、打ち合わせなどもリモートワークで勤務を行うことが可能とされています。
余市町総務部企画政策課・阿部弘亨課長は、余市町で副業・兼業の受け入れを行った「効果」について次のように話します。
「余市の強みであるワインや水産物、農産物などをアピールするためのイベントや、事業者の方々向けの発信方法に関する勉強会の開催など、今まで取り組むことができなかったことを実現していただき、専門的人材の受け入れの効果を実感しています」
外部の専門的な人材を受け入れたことで、今までにない効果が得られている状況がうかがえます。
また、今後、他の地方自治体も含めて、どのようなスキルを持った人材が貢献できるかといったことについて余市町総務部企画政策課・渡辺法子主幹に聞きました。
「今後は、人材育成の分野で、子どもたちをどう地域に根差していくかという視点で、地域と学校を結び付け、地域の魅力を持った学校づくりができるコーディネーター的な役割が担える人材などが求められるのではないでしょうか」
地方自治体で、副業・兼業が広がれば、地域ごとに抱える多様な課題を解決できる人材へのニーズは高まると考えます。ニーズが増えれば、求められるスキルの内容も多様化し、都市部に勤める多くの方が活躍できるのではないでしょうか。