「イヤン、バカ~ン」のフレーズでお茶の間を沸かす『笑点』の人気者・林家木久扇さん。落語家としてだけでなく、ラーメン実業家、漫画家、YouTuberなど、多岐に活躍。御年82歳。元気の秘訣を聞いた。

笑いの快感は人を長寿に導く

私の健康は睡眠から。夜の11時から朝7時までの8時間睡眠。お昼の2時から昼寝もします。昼はあまり寝込んじゃうと夜眠れなくなるので、眠れても眠れなくても40分ぐらい横になり、何も考えない時間をつくっています。

落語家 林家木久扇氏
落語家 林家木久扇氏(AFLO=写真)

お茶や水もよく飲みますね。私の師匠、林家彦六が毎朝、大量にお水を飲んでいたんですよ。前日に水道水を一升瓶に取っておいて、朝から2時間かけて一升飲み干す。ずいぶん変わったことするなと思っていたんですけどね、86歳までお元気で、ご長寿でした。そういえば、師匠もよく昼寝していらっしゃいましたね。

私は何度か大病していましてね。腸閉塞のときは生死の境をさまよいました。お腹がパンパンに膨れて、それは痛くて痛くて。その日は幸い月曜日で、もしもお医者さんがいない日曜日だったら、死んじゃってたんですけれど。家族が私の周りに集められたもんで、「ああ、ダメなのかな」と思ったんですが、一命をとりとめました。運が良かった! それから「生きてて得した」という気持ちを持つようになりました。「もっと面白くして世の中に恩返ししよう」と思うようになりました。

テレビのお仕事でも落語でも、大きな声を出しますし、よくしゃべりますでしょ。これも長く元気でいる秘訣なんじゃないかと思います。82歳になる私みたいな老人の話なんか、ふつう聞いてくれませんよね。だけど、落語っていうストーリーがあって、面白いことを言う人っていうひとつの信用があると、聞いてくれるわけです。反応して爆笑してくれる心地よさがあるんですよ。そういう快感を得られる職業だから、私は元気で長生きなんだと思っているんです。