国民を置き去りにして逃げたと批判されても仕方がない
毎日新聞の社説(6月27日付)も安倍政権の姿勢を強く批判する。
「専門家会議は、感染リスクが高い『3密』回避の定着などで重要な役割を果たした。主体的に提言を繰り返したのは、感染拡大への危機感からだ」
「踏み込みすぎとの批判はあったが、そもそも政府がコロナ対策で本来の役割を果たせていなかったことに問題がある」
専門家会議のメンバーには危機感があった。その危機感が専門家会議を前面に押し出したのだ。反対に政府は前面に出ることに尻込みした。安倍政権は私たち国民を置き去りにして逃げたと批判されても仕方がない。
毎日社説は書く。
「この4カ月余りを振り返ると、政府が専門家会議を都合よく扱ってきた面は否めない」
「安倍晋三首相が小中高校の一斉休校を唐突に打ち出した際は、専門家会議の意見を求めておらず『独断』と批判された」
「感染が拡大すると、一転して政府方針の説明で『専門家の意見』を強調するようになった。ところが、感染者数が減少すると、安倍首相は専門家会議の最終的な意見を聞く前から、緊急事態宣言の全面解除に前のめりになった」
感染症対策は経済状況との微妙なバランスが必要になる
政権の維持に専門家を利用し、政権にとって不要になれば捨て去る。これが安倍首相、安倍政権の体質なのだ。こうした首相と政権に対し、国民は批判の目を忘れてはならない。
後半で毎日社説はこう主張する。
「感染症対策は経済状況との微妙なバランスが必要になる。専門家会議も自己検証で、多様な分野の知見を結集した組織にする必要性を指摘している」
「ただ、今回の廃止に伴い、経済活動を優先するあまり、感染症対策の科学的知見が軽視されることがあってはならない」
「新組織では、バランスの取れた人選が大切だ」
コロナの防疫対策と経済・生活の対策。常にこの2つを天秤にかけ、バランスを保つことが欠かせない。