リーダーを育てるために必要なものとは何か。米ゼネラル・エレクトリック(GE)で人材育成研修を行っていた田口力氏は、「優秀な社員を、そのほかの社員と区別することが大切だ」と説く――。

※本稿は、田口力『クロトンビル 世界最高のリーダーを育てる組織』(KADOKAWA)を再編集したものです。

オフィスで働くデザイナーのグループ
写真=iStock.com/DragonImages
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リーダー育成に対する基本的な考え方

GEのクロトンビルは「人材開発の聖地」とも呼ばれている組織ですが、そこで行われるリーダー研修には、いくつかの特徴があります。

まず、GEにおけるリーダー育成の基本方針は、「セレクト・アンド・デベロップ」です。つまり選抜研修が基本ということになります。職能別あるいは事業部門単位で独自に行う研修には「必修」とされているものがありますが、クロトンビルのリーダーシップ研修にはありません。

『クロトンビル 世界最高のリーダーを育てる組織』(KADOKAWA)より
『クロトンビル 世界最高のリーダーを育てる組織』(KADOKAWA)より

2008年まで従業員の業績評価としては、図表1のように上位から「トップ・タレント」、「ハイリー・バリュード」、「レス・エフェクティブ」の三つの分類が適用されていました。そして、図を見てわかるようにトップ・タレントには、お金と時間、エネルギー(労力)を集中豪雨のように投下して、さらなる成長を促進します。