もし中国に「沖縄県民の声を尊重せよ」と言われたらどうするか

日本の政治家や一部インテリたちは、香港問題について「香港市民の声を尊重せよ」と中国を批判する。

では、他国から逆に「沖縄県民の声を尊重せよ」と言われたら日本はどうするか。在沖縄米軍基地普天間飛行場の辺野古移設について、沖縄県民は繰り返し反対の声を上げてきた。国政選挙や沖縄県知事選挙、そして先日行われた県民投票でも、辺野古移設にNOの県民の声が圧倒的に勝っている。

このことを捉えて、他国、特に中国が「沖縄県民の声を聴け!」と言ってきたら、日本国民はどう対応するだろうか?

普通なら「それは日本で決めるので、放っておいてくれ!」と言い返すだろう。それこそ、香港問題で中国を辛辣に批判する政治家たちに限って「中国は黙ってろ! 日本のことに干渉するな!」と言うだろう。

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このような事情を踏まえて、フェアの思考に基づくならば、香港問題についてどう考えるべきか。

それは、中国の香港への主権は最大限尊重しなければならないし、もし一国二制度について中国が主権を取り戻す試みをするのであれば、その心情を一蹴するわけにもいかない。

1997年に香港が中国に返還されることを合意した、1984年の中英共同声明3条1号では、香港は中国憲法31条に基づき「中国の特別行政区になる」ことが定められている。

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その後、1990年に香港基本法が成立した。重要なのは、ここで香港に適用される法律の制定者や権限について以下のような条項が定められていることだ。

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同18条の規定は次のようになっている。

(1)香港内に適用される法律は香港の立法会で制定する (2)中国全体の法律は香港には原則適用されないが、基本法付属文書3に列挙した中国全体の法律は、香港の立法会を通さず(公布形式)に香港に適用することができる (3)基本法付属文書3に加えたり減らしたりする権限は中国全人代(国会)常務委員会にある (4)基本法付属文書3に加える中国全体の法律は、香港の自治権を侵害しないものでなければならない。

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