通常なら1年程度かかる審査を、わずか3日で済ませた

毎日社説は指摘する。

「安全性にも留意が必要だ。元々はエボラ出血熱の治療薬として開発中だった。米政府は非常事態を理由に新型コロナへの緊急使用を許可し、それを受けて日本も『特例承認』に踏み切った」
「病気のまん延防止に必要で、代替手段がなく、海外で認められているという要件を満たしたことから、通常なら1年程度かかる審査を、わずか3日で済ませた」
「一方で、副作用として肝臓や腎臓の機能障害が報告されている。リスクがあっても使用すべき有効性があるかどうか、細心の注意を払って症例を蓄積し、分析を続けるべきだ」

「安全性への留意」「リスクと有効性」など毎日社説は冷静にレムデシビルに言及している。読者として共感できる。薬剤は使う患者が多くなればなるほど、予想もしなかった新たな副作用が生まれる。毎日社説の主張のように「症例を集めて分析していく」ことが薬害を減らすことにつながる。

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