もちろん共感だけで終わらずに、確実にスピーディーに契約に結びつけるクロージング力も営業ウーマンの腕の見せ所。甲斐さんは原則2回の面談で契約を決めるようにしている。過去にファーストコンタクトの後に事故に遭い、加入が間に合わなかった見込み客がいたこと、そして自身の突然の発病の記憶が「加入を先延ばしにしてもいいことはない」と思わせるからだ。

「お客様もそこはわかってくださいますね。経営者の人も多く、リスク管理や時間の重要性を普段から意識されているせいかもしれません」

そう話す甲斐さんは「侍みたいだとよく言われます(笑)」の言葉通り、サバサバとした印象の人。醸し出す空気と、志ある武士のごときふるまいが、よい顧客の縁を運んでくるのだろう。

■服装や靴の選び方…職種柄、ダーク系のスーツを着る。カラーコーディネーターのアドバイスで、自分に似合う色であるオータムカラー(深みのある色)をインナーにしている。

■お客様との接し方…原則的に顧客との食事はしない。特定の顧客のみと関係が濃くなることはよくないと考えているため、誘われても食事は断っている。

■セクハラ防衛法…セクハラは一切ない。男気があり、「侍」とも言われる、自分の雰囲気のせいか、変に女性を意識されない。

■ONとOFFの時間…ONとOFFの切り替えはあまり得意でないし、切り替えなくてもストレスにはならない。ただ、子供との時間は大切にしている。

■自分のセールス点…保険と自分の会社に対する愛が強いこと。保険に対する思いを大切にしている。

(笹山明浩=撮影)