中国のアフリカ系差別はなぜ生まれたのか
米マクドナルド本社はこうした問題について謝罪し、中国外交部は「われわれはアフリカの兄弟を差別することはない」と発言。火消しを図っている。
筆者もかつて中国・上海で中国人と食事をした際、雑談をするなかでアフリカ系住人についてどう思うか話を聞く機会があった。そのとき目の前の中国人女性が「彼らは不潔で汚れている。黒すぎる」と臆面もなく語ったのを、はっきりと覚えている。明らかな差別発言だったが、平然と語る彼女の前に私は絶句してしまった。アフリカ系住人に対する中国人の差別意識は、日本人以上かもしれない。
広州で広がりつつあるアフリカ系住人への差別、あるいは中国人との軋轢は、なぜ生まれたのだろうか。これまでの経緯をざっと見てみると、事実とデマがごちゃ混ぜになり、人々の危機意識や恐怖感をベースに煽られるものだと言えそうだ。「差別意識はない」というのは、差別する側の常套句だろう。日本社会もギスギスした空気が続いているが、理性的な判断を心がけたいものである。