「オレの○○は中国人のよりでかい。だから怖いものなんてない」

街中で大声をあげるなら、アメリカに来てこっちの警察のやり方を見てみろ。中国の警察はあなたたちに非常に良い対応をしている。世界中どこにでも差別というのはあるものだが、差別だとか制度がおかしいとか、不公平とか思うなら、自分の国に帰ればいいんだよ。誰もあんたらに中国にいてくれとは頼んでいない。『オレの○○は中国人のよりでかい。だから怖いものなんてない』『お前の女を奪ってオレの虜にしてやる。中国人はホラ吹きばかりだから、広州の女はオレのカッコよさにすぐ惚れる』『オレたちのデカくて立派なぶっといアレを見せたら、女たちはもうやめられなくなるんだ』。こんな話を聞かせろとは頼んでいない。

仮にナイジェリア人が中国で罪を犯せば、中国人と同じように処罰されるべきであり、言い逃れは一切できない。世界中で隔離が進むなか、広州の警察官があなたたちに帰国を命令するのであれば、それはあなた自身の安全のためだし、中国人の安全のためだ。自分たちが中国人よりも一段高いところにいるとは思わないでくれ。あなたたちは他人の場所にいるんです。オレは今アメリカに住んでいるが、社会的地位は黒人より低い。あなたたちもそういう現実を直視してほしい。中国人というのは非常に謙虚で優しく、おもてなしの精神がある。だから挑発するようなマネはやめろ。外国人に対する永住権を認める条例を支持するかどうかと聞かれたら、その答えはまた今度話そう」

マクドナルドは「黒人お断り」

男性歌手は最後に吐き捨てるように「Peace&Love!」と言い放ち、動画は終了した。発言の随所でレンズに向かって人差し指を突き出し、問い詰めるような口調で迫ってくる。ピースやラブはあまり感じられなかったが、中国の公的な隔離措置に従わないことに強く反発する意識が伝わってくる。また、アフリカ系=男性器がデカいというイメージは、中国にもあるらしい(偏見のような気もするが、筆者には実際どうなのかはよく分からない)。

こうした流れのなか、広州市内のマクドナルドでは4月中旬、「黒人は入店禁止」と英語で書かれた掲示物が貼られた。掲示物には「Notice(注意)」と標題があり、次のような文言が書かれていた。

「We've been informed that from now on black people are not allowed to enter the restaurant. For the sake of your health consciously notify the local police for medical isolation. Please understand the inconvenience caused.(黒人は入店お断りです。自身の健康を守るため、自発的に警察に申し出て隔離措置を取ってください。ご不便、ご理解ください。)」