検診に通う人は感染症に罹りにくい

歯は健康のバロメーター。歯磨きをきちんとするだけでも様々な病気の予防ができます。インフルエンザがいい例です。歯をブラッシングしている人ほど、インフルエンザ罹患率が低いことが、アメリカの研究等でわかっています。また、定期的に歯科受診をしている人は、感染症に罹りにくいこともわかっています。口の中は「バクテリアリザーバー」と呼ばれるほど、ばい菌の繁殖所になっています。仮に丸一日歯を磨かないと仮定した場合、口内のバクテリア量は約1万倍にも増えます。

歯周病の人とそうでない人では、細菌量がなんと1億倍も違います。その状態でインフルエンザや新型コロナなどのウイルス等を口から吸い込み、歯磨きをせずに寝てしまうとどうなるでしょう。喉から体内へウイルスが入り、抵抗力が落ちていれば肺炎で死ぬこともあります。癌の治療がうまくいっても亡くなってしまうケースは、原因のほとんどが肺炎です。だから口腔ケアが大事なのです。欧米ではこのような歯科治療が標準です。日本の歯科医がやっている「何色の歯にしますか?」のような業務は、アメリカなら歯科技工士の仕事です。

歯磨きは、朝に1回、寝る前に1回しましょう。菌が最も繁殖するのは就寝中だと覚えておいてください。デンタルフロスを使えばさらに完璧。ただしフロスは歯ブラシで磨く前にするのが鉄則です。歯と歯茎の間に汚れが溜まっていると、心筋梗塞や脳梗塞など循環器系疾患になりやすいことがわかっています。歯の表面だけをちゃっちゃと適当に1日3回磨くなら、朝晩2回の歯磨きにフロスも追加するほうがだんぜん効果的です。

(構成=力武亜矢)
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