子どもの休みは親の勤務。つまり無期限勤務だ

4月20日現在も、新型肺炎コロナウイルスは猛威を振るっている。世界の感染者数は240万人を超え、死者は16万人を超えた。医療崩壊只中のイタリアやスペイン、アメリカの状況は、決して対岸の火事などではない。遅かれ早かれ休校措置はとられただろう。

だが、翌週からの各家庭での惨状は予想以上のものだった。たしかにこれまでも夏休みなど長期休暇はあった。子どもにとっての“休み”は、親にとっての“勤務”を意味することも承知している。だが、予定された“休み”と、前触れなしの無期限の“休み”は意味が違う。

そしてそこに新たに加わる「在宅勤務」推奨の波。「子どもの休校」×「親の在宅勤務」×「外出できない自粛モード」が生み出す破壊力は、ほとんど未知の世界だったといえる。

ちなみに断っておくが、冒頭に登場したパパは決してDV夫などではない。普段から子ども思いで、子どもたちもパパが大好き。感じのいい笑顔も、ママさんたちからお墨付きだ。しかしそのパパをしてヨーグルトを投げつけるという蛮行に駆り立てるほど、長引く自粛生活はストレスに満ちている。

子持ち自粛生活の疲れは、「時・食・住」の3重苦からうまれる

構図は単純だ。「育ち盛りの子どもが家で騒ぐ」→「『静かにしろ』と何度いっても聞かない」→「うるさすぎて在宅“勤務”ができない」→「気分転換にスタバで仕事、もできない」→「家族全員のイライラがマックス」。これが何日も続けば、立派な「自粛疲れ」の出来上がりだ。そうならないのは、よほど聞き分けのいい子どもを持つか、豪邸に住んでいるかのどちらかだろう。

今回、周囲のママ友たちに聞き取り調査を行った。集まってきた声はさまざまだが、突き詰めれば3つの問題に集約される。それが衣食住ならぬ、「時(間)・食・住」の問題だった。

何より悲鳴が上がったのは、「食事」問題だ。普段、家庭で食事をつくり慣れているはずの主婦たちですら、家族全員が連日三食食べ続けることの負担は想像以上だった。「食費が半端ない」「買い出しが追い付かない」「一日中食事の準備と片付けに追われている」「もうレシピが思いつかない」「夫の分の、量と品数が余計に負担だ」などの声が届いてきた。なかには「人はなぜ1日に3度も食事をする生活に進化してしまったのか……」と悩む人まで出る始末。ちなみに子どもが3人いる我が家では、8時、10時(おやつ)、12時、15時(おやつ)、18時と、ほぼ2時間ごとに食べ物を要求され、しまいには「バナナでも食っておけ!」と叫ぶ毎日だ。