新型コロナウイルス感染拡大で、各種の経済指標が大変なことになっている。経営コンサルタントの小宮一慶氏は「リーマンショックや東日本大震災と比較しても桁違いに悪い。長年、経済指標をウオッチしてきたが、数字を見るのを『怖い』と感じたのは初めてだ」という——。
COVID-19危機は金融と世界経済に直撃し、ドミノ倒しをおこしかねない
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日本経済は「奈落の底」落ちるのか

新型コロナウイルスの影響で日本経済が急速に悪化しています。この1カ月でその傾向がさらに顕著になっています。下手をすれば、奈落の底に落ちてしまうような状況です。

政府は、収入減世帯への現金給付や、休業補償、中小企業への助成金や融資制度の拡充など、さまざまな経済対策を立てていますが、今のようなスピードでは不十分です。

また、感染収束後を見据えての「商品券」などの景気対策を検討しているようですが、これらも感染拡大が収束しなければ効果を発揮しないでしょう。

つまり、いずれにしろウイルスが収束しない限りは、大変な状況が続くということです。国際通貨基金(IMF)のクリスタナ・ゲオルギエバ専務理事は「2020年の世界経済は大恐慌以来のマイナス成長になる」とまで言っています。

編集部註:4月14日、国際通貨基金(IMF)は世界全体の経済成長率の見通しを発表した。
2020年に関しては、新型コロナウイルスの感染がなかった1月に示した「プラス3.3%」という予想から6.3ポイント引き下げて「マイナス3%」に落ち込むとしている。これは、2008年に起きたリーマンショックの影響で「マイナス0.1%」となった2009年をも大きく下回る水準だ。
国別にみると、アメリカ「マイナス5.9%」(1946年以来、74年ぶりの水準)、中国「プラス1.2%」(1976年以来、44年ぶりの低成長)、日本「マイナス5.2%」(2009年以来、11年ぶりの低水準)。