脳バランス体操は首・腰・目玉で行う

脳は、右脳と左脳に分かれています。この左右の脳機能のバランスが乱れると、全身に悪影響を及ぼすと私は考えています。そして、イップスの患者さんには、脳バランスが乱れている人が多いことがわかっています。

そこで、機能が低下している側の脳に刺激を与え、脳バランスを回復させるための基本エクササイズが「ぐるぐる体操」です。

ぐるぐる体操は、3つのパート(首、腰、目玉)からなります。ここでは、「首ぐるぐる体操」を紹介しましょう。やり方は以下の通りです。

『不調が消え去る脳バランス体操』(KADOKAWA)より
「首ぐるぐる体操」のやり方
(1)前、右前、右、右後ろ、真後ろ、左後ろ、左、左前の8方向にそれぞれ首を傾け、首の痛み・張り・違和感が生じるところを探す
(2)問題のある箇所が見つかったら、その方向に首を傾けたまま5秒キープ
(3)首を元に戻し、おへその下にある丹田を左手で押圧しながら、息を吐き切る
(4)吐き切ったところで、左手の甲を右手のこぶしでポンと叩いて刺激する
*首を反対に回して、同様に(1)~(4)を行う

首のぐるぐる体操は、立って行っても、イスに座って行ってもOKです。首の回し方が速すぎたり、首の傾け方が弱かったりすると、首の調子の悪いところを正確に探し出せません。

きちんと刺激できれば直後から楽になる

8つの方向できっちりと首を曲げ、もしも、突っぱるところなどが見つかったら、その状態を5秒キープし、悪い状態をよく引き出すように心がけてください。首を回したとき、1カ所ではなく、いくつか複数の箇所で、違和感を抱くことがあるかもしれません。

時間的に余裕のある人は、それぞれの箇所に、同じ刺激を行ってください。時間がない人は、その中で最も強く違和感を抱く場所や、痛みを感じる場所に刺激を行えばよいでしょう。

首ぐるぐる体操が終わったら、もう一度、突っぱりのあった方向に首を曲げてみてください。きちんと刺激ができていれば、体操の直後にすでに、効果が出ていることがわかるでしょう。具体的には、突っぱり感や違和感がある程度、楽になったり減ったりします。また、1回で違和感がすっかり消えてしまう人もいます。