スポーツや演奏など特定の局面で、今まで普通にできていたはず運動ができなくなることがある。それが「イップス」だ。イップスに悩む著名人を診てきた柔道整復師の石井克昇氏は「右脳と左脳のバランスの崩れが原因だと考えている。調子を整えるには『首ぐるぐる体操』が有効だ」という——。

※本稿は、石井克昇『不調が消え去る脳バランス体操』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

疲れを感じ、自宅でストレッチをする女性
写真=iStock.com/CentralITAlliance
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パターを打とうとするとガチガチになる「イップス」

私の治療院、石井堂(代田橋本院)は、東京・杉並区にあります。最寄り駅を降りて甲州街道を渡り、7~8分ほど歩いた商店街の中ほど。見た目から言えば、ごくごく普通の町の治療院。ほかのところと比べて、大きく違っている点はないでしょう。

ここで私は、柔道整復師などの資格で患者さんの施術に当たっています。見た目こそ、よそとほとんど変わりませんが、当院にはほかの治療院にはない特色があると考えています。それが、イップスを治療対象としている点です。

イップスにはいろいろな定義がありますが、ここでは最もわかりやすく、以下のようにしておきましょう。

イップス=スポーツなどの特定の局面で、今まで普通にできていたはずの行動ができなくなる運動の障害

最もわかりやすいのが、ゴルフのパターです。パターを打とうとすると、とたんにガチガチに緊張してしまって、思うようにボールが打てなくなる。緊張するまいと思えば思うほど、体がこわばり、結局、失敗をくり返す。こうした症状です。