伸び悩みの原因は側頭葉だけでの理解

700点レベルの人たちは、着実にスコアを積み上げて、TOEICテストに登場する語彙や表現の知識は増えてきています。その彼らが伸び悩むのは、英文を「側頭葉だけで理解しようとしている」からだと思います。どういう意味かというと、そもそも日本語なら聞こえた瞬間、目に入った瞬間にいちいち考えなくても理解できるのに、英語になると単語の意味を思い出し、文の構造を見極めるために文法を考えているということです。つまり、側頭葉で必死に理解しようとしているわけです。

若いアジア人公共図書館の彼のラップトップ コンピューターでの作業
写真=iStock.com/Zephyr18
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一方で800点以上の人は、側頭葉を介さなくても声を聞いた瞬間、文字を見た瞬間に自動的に意味が理解できる範囲が広くなっているわけです。子どもでも慣れ親しんでいて瞬時に意味の処理ができる「Thank you.」のような表現だけでなく、TOEICテストに登場するより難しい単語や複雑な構造の文でも、見た瞬間、聞いた瞬間に自動的に処理できるまで馴染ませる必要があります。結局、語学というのは「壮大な慣れ」の積み重ねであり、「自動化」がカギを握っているのです。そうしたことを踏まえた勉強法を解説していきます。