入浴中にできる極上ボディメンテナンス

入浴によるメリットを、さらに高める簡単な方法もあります。

1つ目は、バスタブに浸かっているときに、ゆっくりと両脚を伸ばしたり曲げたりする“プチストレッチ”です。両膝を伸ばすときは、両膝の上に両手のひらを乗せ、押し込みながら膝を最大限に伸ばして30秒ほどキープしましょう。一方、曲げるときは、両手を膝下に当て、かかとがお尻につくぐらい最大限に曲げて30秒ほどキープ。そしてもう一度、同じ要領で両膝を伸ばせば終了です。

ポイントは、私たちはいつも膝を曲げていることが多いので、「伸ばす→曲げる→伸ばす」の順で行うことです。固まった関節でも、入浴時には温熱効果で、いつもよりも柔らかくなります。柔軟性を取り戻し、可動域を広げる絶好のチャンスなので、軽い矯正をかけて関節疲労を取り除こうというわけです。非常にシンプルな手法ですが、膝周りだけでなく、脚のだるさ、下半身全体のメンテナンス、疲労回復に有効です。

2つ目は、肩周り~腕の動きを軽やかにする上半身の“プチストレッチ”です。こちらも非常に簡単で、バスタブの中で腕を下から背中に回し、手の指先をできるだけ上のほうへ持っていくだけ。なるべく巻き肩にならないことだけ気をつければ、やはり肩周りの柔軟性の回復と可動域拡大のメリットが得られます。四十肩・五十肩や肩こりが気になっている人は、ぜひ試してください。

睡眠中は「ゼロポジション」で関節疲労を癒そう

オフタイムの疲労対策として、風呂とともに重視すべきは「睡眠」です。通常、1日の3分の1程度の時間は眠っているのですから、睡眠の質が体調と関わるのは当然のことです。

枕を使わず仰向けに寝て、両手のひらを上に向けた状態が、身体に余計な負荷がかからない理想の「ゼロポジション」。
写真提供=KADOKAWA

枕を使わず仰向けに寝て、両手のひらを上に向けた状態が、身体に余計な負荷がかからない理想の「ゼロポジション」。

夜眠るときの理想の体勢は、あお向けです。さらに言うと、枕を使わず、両手のひらを上に向けた状態を取れば、「ベストの寝方」になります。この体勢は、「ゼロポジション」というものです。体への余計な負荷がゼロで、骨・関節・全体的な骨格の配列・筋肉・腱など他の組織も含めて「あるべき状態」になっているので、全身のあらゆる健康面で有益なものとされています。体にとって最も無理のない楽な状態なので、関節疲労も自然と癒されていきます。