SNSに出現する「高学歴クソリプおじさん」の正体
ま、この騒動もいつかは落着するはずと信じて、空いた時間をこうして原稿を書いたり、読書をしたり、次の新刊のメールでの打ち合わせをしたりと、難局を乗り越えようとしています。
辛いのは私だけではないのですもの。
さて、在宅時間が長くなったのでしょうか。いつにも増してツイッターやらフェイスブックなど各種SNSで面白い人たちを散見するようになりました。
「かぶせおじさん」です。
かぶせおじさんとは私の造語ですが、「若年層(とくに若い女性)の書き込みに対して、知識やら経験を振りかざして、上から目線で聞いてもいない自らの主張をかぶせてレスポンスしてくるおじさん」のことを指します。
いや若年層のみならず、落語家に向かって「誰もが思いつくレベルのダジャレを連発してくる」のもそういうおじさんばかりです。「新型コロナ、気になりますね」とわざわざ「トヨタの車やビールの写真を添付してきた方」はおひとりだけではありませんでした。ま、それだけ落語家が突っ込みやすくまた親しみやすい距離感に位置する証拠なのかもしれませんが。
なんで「おじさん」と定義したのかというと、そのようなイラッとさせる「クソリプ」を返してくる人に、まず女性はいらっしゃらないからです。その経歴を見るとざっくり言って「高学歴」「定年退職」「フォロワーが少ない」という特徴がありました(決して高学歴で定年退職してフォロワーの数が少ないとそのようになるというわけではありません)。
セクシー系の写真掲載の女性に燃え上がる
私の場合、最近こそそういう「ダジャレ連発おじさん」に遭遇するケースが増えてきましたが、もしかしたら時節柄パソコンに向かう時間が多くなったおじさんたちが、「知識ひけらかしたがり症候群」からか、逆らいそうにない健気な女性向けに本領を発揮しているのでは……とお見受けします。またターゲットとなるその女性もアイコンにちょいセクシー系の思わせぶり写真なんぞ掲載しているものですから、「かぶせおじさん」はますます燃え上がるのでしょう。
要するに、「あなたの書き込みに関しては、人生の先輩である私のほうがオーソリティですよ」というアピールで、あわよくば近づいて教えてあげたいという「大きなお世話」なのですな。聞いても頼んでもいないのに、です。
芸人のボケ発言に対して、「ダジャレ」ではなくもっと面倒くさい「マジレス」をしてくる人もそれに類するのかもしれません。私も含めて芸人は、前後の脈絡やら矛盾点やらを差し置いて、まずは目先のウケを優先して時事ネタなどをつぶやくものです。するとそれに対して鬼のクビを取ったかのように、自分目線しかない皮膚感覚にもとづいたレスを寄越してくる人がたまにいます。ボケはある種の確信犯的発言です。「それじゃ面白くないだろう」となぜ思わないのでしょうか。
かつては私の発言に対しても「ふざけるな」と言ってくる人がいるなど、何度かいわゆる「炎上」も経験しました。「芸人はふざけるのが仕事」なのになぜご理解いただけないのでしょうか。ほんと面倒くさいですよねえ。