【理科:未知の世界への入り口編】

壮大なプロジェクトを写真で追体験
おかえりなさい はやぶさ 2592日の宇宙航海記』(講談社・吉川 真)

吉川 真『おかえりなさい はやぶさ 2592日の宇宙航海記』(講談社)
吉川 真『おかえりなさい はやぶさ 2592日の宇宙航海記』(講談社)

太陽系誕生の謎を研究するため、観測記録とサンプルを持ち帰る使命をおびて打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトを、写真と図で紹介する。研究者と技術者の協働による優れた技術と不屈の精神がもたらした結果に心を打たれる一冊です。(科学読物研究会)

ジャガイモから生物の法則が見えてくる
ジャガイモの花と実』(仮説社・板倉聖宣)

板倉聖宣『ジャガイモの花と実』(仮説社)
板倉聖宣『ジャガイモの花と実』(仮説社)

私たちは、ジャガイモの実を食べているのではありません。では、実とは何なのでしょう。読んでいくと、その答えが出てくるだけでなく、ジャガイモの品種改良が大変な理由もわかります。実はジャガイモの実や種は、なかなかできにくいものなのです。ジャガイモを入り口に、生物学の世界を見てみましょう。(宮内)

“常識”を科学的に説明します
10分でわかる!科学のぎもん 4年生なぜだろう なぜかしら』(実業之日本社・江川多喜雄)

江川多喜雄『10分でわかる!科学のぎもん 4年生なぜだろう なぜかしら』(実業之日本社)
江川多喜雄『10分でわかる!科学のぎもん 4年生なぜだろう なぜかしら』(実業之日本社)

この本は、学校で習った知識を使って、身近な疑問を説明してくれる本です。例えば、「テレビのリモコンのオフボタンを押しても、エアコンの電源は切れない」「ドライアイスが溶けても周りはぬれない」といった“当たり前”と思っていることの謎を解き明かしてくれます。1テーマ4ページほどなので読みやすいのも魅力。(宮内)

水や空気を分解すると?
もしも原子がみえたなら』(仮説社・板倉聖宣)

板倉聖宣『もしも原子がみえたなら』(仮説社)
板倉聖宣『もしも原子がみえたなら』(仮説社)

絵本のようなかわいいイラストで、原子や分子のことを学べるロングセラーです。身近な空気の中にどんな成分が隠れているのか、窒素分子や酸素分子、水の分子を拡大してみるとどんな形をしているのか、雨粒の中にはどれほどの水の分子があるのか、扱う疑問は身の回りのことがベースになっています。(科学読物研究会)

科学読物研究会
子供に科学の本に親しんでもらうために、書籍の研究・執筆のほか、各地で科学あそび、科学の本の読み聞かせなどを行っている。今年で50周年を迎え、会員は全国に約300人。今回の選書と執筆は市川雅子さん(写真)、坂口美佳子さん、原田佐和子さん、二階堂恵理さん、増本裕江さん、渡部美帆さんの6人が担当。
宮内主斗さん
茨城県公立小学校教諭。著書に『理科授業づくり入門』(明治図書出版)、『おもしろ理科こばなし』(星の環会)ほか多数。趣味は写真、マクロ撮影。