事前に相手とコミュニケーションをとる

目的を定めたうえで、2つ目のポイントは、ターゲットに合わせた内容を大まか考えたうえで、「事前に相手とコミュニケーションをとる」ということです。なぜなら、資料を作ってから上司や同僚と共有する場合、修正が発生したときに膨大な手直しが発生してしまうことになるからです。

たとえば資料作成の最終的な目的が、「部長の承認をもらう」ことだとしましょう。よくあるのは、いきなり分厚い資料を作って部長にドカッと渡してしまうケース。「なんだよ、これ。いま忙しいから読んでいる時間ないよ」と突き返されたら、それこそ資料作成に費やした膨大な時間がすべて無駄になってしまいます。これを防ぐためは、資料の作成に入る前に、「部長、いま私はこういうことを考えているんですけど、どう思います?」と聞いて反応を見る。職場ではもちろん、一緒に飲むとか、部長の好むコミュニケーションスタイルで様子を見ておくといいでしょう。

それから「自分がターゲットからどういうふうに見られているか」についても考慮しておきましょう。たとえば自分は部長から、「アイデアは豊富だが、実行するときに危なっかしいところがある」と思われているとします。それなら自分の強みを生かしてアイデアの斬新さを強調し、実行の方法については「こういう手を打っておきます」など不安材料をカバーしておくとよいでしょう。

3つ目のポイントは、「範囲と時間を決めて情報収集を行う」です。なぜなら「持っていたほうがいい情報」なんて、インターネットの海には無限に転がっているわけですから、どこかで制約をかけておかないとキリがない。ですから情報をインプットするときは、「ここからここまで」とあらかじめ範囲を決めておくことが大事です。

ここまで目的を定め、ターゲットのニーズを知り、情報を集めて、準備ができたところで、ようやく資料の内容の組み立てに入ります。オススメは論理的に説明できる「背景→課題→解決策→効果」という構成です。ここで重要なのは、はじめの目的で検討した、ターゲットの好みを考慮する点。

ターゲットとなる人物が、まず結論ありきで、そこから「なぜならば……」と理由を述べる話し方を好むのか、それとも、「調べたらこういうことがありまして、こういうこともありまして、そうするとこうだと思うんですよね」という時系列の説明のほうが好きなのか。数字も「ざっくりでいいよ」という人もいれば、細かい数字にこだわる人もいます。人間はつい自分を基準にしてしまいがちです。相手に合わせて構成にも変化をつけましょう。