塩と米は白より茶色

昔、白米中心の食事をしていた武士の間で「江戸患い」という病が流行りました。これはビタミンB1不足による脚気です。白米は純粋な炭水化物なので低栄養、低ビタミンの食品です。最近「白い食べ物は体に悪い」といいますが、これは半分当たっています。例えば白い小麦粉は小麦の皮を剥いて精製度の高い炭水化物にしたもので、全粒粉は周りの皮も一緒に挽いた茶色いもの。真っ白なパンを全粒粉のパンに置き換えるだけで糖尿病が減るという臨床研究結果もあるぐらいです。

お米も同様で、白米を玄米に替えるだけで糖尿病が減り、その先の心臓・血管の疾患も減少します。ただ、「茶色い食べ物がいい」風潮に乗ってわざわざ食品に色をつける業者がいるので要注意。一部の飲食店などにあるピンク色の塩が典型で、ヒマラヤ岩塩に見えるようにわざと着色しています。そもそも岩塩に含まれる塩化ナトリウム以外の成分は1%未満。食卓塩から岩塩に替えても、大きな差はありません。

オリーブオイルは体にいい

2003年、スペインが国を挙げて行った「PREDIMED」という有名な臨床研究で、オリーブオイルやナッツを追加した地中海食では心筋梗塞や脳卒中が減るという結果が出ました。産業振興の側面は否めませんが、実際、この前後に同じような臨床試験が何度も行われ、同様の結果が出ています。

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私が実践しているのは「地中海食ダイエット」です。地中海食とはイタリアやスペイン、ギリシャなど、魚介類や野菜、果物、豆、穀物を多く摂り、オリーブオイルをたくさん使う料理です。私は毎朝、どんぶり一杯の野菜に、少量のスモークサーモンや豆類、ナッツをトッピングし、オリーブオイルをドボドボかけて食べています。お皿の3分の1くらいはオリーブオイルで浸す。心血管疾患を予防する効果も期待できるので、一石二鳥です。私の朝食メニューが紹介されたTV番組を見て、友人知人が、「(速水)もこみちよりオリーブオイルをかける人をはじめて見た」と指摘していました。

グルコサミンは関節痛に効く

たしかに人間の関節の中にはグルコサミンやコンドロイチンなどの物質が入っています。ただ、それらのサプリを食べたからといって直に関節に届くわけではありません。

テレビのCMを見ていれば、効果があるように思えるんですが、実は「効く」とは一言も言っていない。「グルグル」と歌いながら膝を回す体操をしているだけ。視聴者はイメージ戦略にまんまとはまっているわけで、あのCMを考えた人は頭が良いですよね(笑)。