言葉の置き換えは、事実を遮蔽する
最近、何でもかんでも横文字にして事の本質をぼかし、中途半端な連中の自意識をくすぐる「商法」が流行している。ちょっと前まで、「出前」と言っていたのを、ケータリングと呼ぶようになった。最近ではそれも廃れて「ウーバーイーツ」なる業態が出てきたが、一言「出前サービス」でいい。「ただの水」をチェイサーと言ったり、「甘味」をスイーツというのも気味が悪い。言葉の置き換えは、事実を遮蔽するのに便利だ。
そして中身はないが見栄と虚栄心だけは旺盛な意識高い系の連中は、こぞってこの呼び方に群がる。「スタバでマックブックを広げて仕事をする人」を、「喫茶店で缶詰めになっている人」と事実をそのまま提示すれば、皆バツが悪くなってオフィスに帰るだろう。(文中敬称略)