「衣サクサク」「モモ肉に変更」は売れなかった

当時加盟店は相当ザワついたことだろう。また、果敢にリニューアルしようとしたことが大いに裏目に出たこともあった。「衣をサクサクにしてみた」(01年)、「ムネ肉からモモ肉に変えたみた」(03年)も、「売れなかった」という。食べ応えがあって、ジューシー、そして薄ごろも。ずっと価格は当初と変わらず200円(税抜価格)のまま。令和へと時代が移っても、からあげクンは変わっちゃいけないのだ。

吉岡秀子『コンビニ おいしい進化史 売れるトレンドのつくり方』(平凡社新書)

ただ同時に、第二のからあげクンを目指したチキンメニューもヒットへの道を走ってきた。2005年11月、フライドチキンからコンビニ業界で初めて骨を抜いた「ジューシーフライドチキン(骨なし)」を発売。その後、進化して、09年にスパイシーな骨なしフライドチキン「Lチキ」が誕生。発売1年で約8000万食を売り、念願かなって定番になった。後日、Lチキを挟む「バンズ」まで別売りされたから、かなり攻めていた。

13年には、「ローソン史上最高品質」をうたう骨つきの「黄金チキン」が仲間入り、このあたりからは、からあげクンとはやや別路線の「食事チキン」が台頭してきたように思う。

ふだんのおかずは「Lチキ」や「鶏から」(12年発売)、クリスマスなどのハレの日は「黄金チキン」を仲間と囲む、というスタイルが定着してきた。

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