自己資本はわずか12億円にまで減少
また、積み上げた儲けの累積額である「利益剰余金」が減少するなどで、「自己資本比率」が急激に低下している。19年9月末時点の自己資本比率は4.8%で、3カ月前の6月末(15.6%)と比べて10ポイント以上低い。1年前の18年9月末(20.6%)からだと15ポイント以上も低下した。
自己資本は減少しており、19年9月末時点でわずか12億円しかない。債務超過に陥ってもおかしくない状況だ。もしそうなれば金融機関からの借り入れが難しくなり、倒産リスクが一気に高まる。
直筆の「社長からのお願い」に批判集中
厳しい状況のなか、ペッパーフードサービスはいきステで集客を実現するための施策を打ってきた。起死回生の一手なのか、同社社長がお客に来店を呼びかける直筆の張り紙を店頭に貼り出したのだ。
「社長からのお願いでございます」という書き出しから始まり、「お客様のご来店が減少しております」「このままではお近くの店を閉めることになります」と切実な状況を訴え、「創業者一瀬邦夫からのお願いです。ぜひ皆様のご来店を心よりお待ちしております」と結ぶ文面で、来店を呼びかけた。
だが、この張り紙には批判が巻き起こった。「日本初」「食文化を発明」「大繁盛」といった言葉が連なっており、「上から目線」と受け取られたのだ。また、「来店客が減っているのをお客のせいにしている」「来店客が減ったと言われても、客が知ったことではない」「閉店しても困らない」といった意見もあった。SNSなどをみる限り、こうした声が大勢のようで、「お願い」が集客に結びつくかは微妙なところだ。
いずれにせよ、ほかに有効な対策を講じなければ、客離れは止まらないだろう。いきなり陥った経営の危機を脱することができるのか、注目が集まる。