全店の1割弱にあたる44店の閉鎖を発表

いきステの不振を受けて、ペッパーフードサービスは11月14日、19年12月期通期の連結業績予想の修正を発表。売上高は従来より98億円少ない665億円(前期比5%増)とした。営業損益は従来計画では20億円の黒字を見込んでいたが、7億3100万円の赤字(前期は38億円の黒字)に、最終損益は15億円の黒字から25億円の赤字(同1億2100万円の赤字)に下方修正した。こうした状況を踏まえ、いきステ全店の1割弱にあたる44店の閉鎖も発表している。

同日、19年1~9月期決算も発表。売上高は前年同期比15.2%増の518億円と増収だったが、営業利益は98.2%減の4400万円と大幅に減った。最終損益は19億2200万円の赤字(前年同期は11億5600万円の黒字)に転落している。

さらに見逃せないのが財務状況の悪化だ。

18年12月期の営業CFが64億円のプラスだったことはすでに述べたが、19年1~6月期は2億4700万円のマイナス(前年同期は36億6900万円のプラス)に陥ってしまった。これは、店舗販売など営業活動でキャッシュが2億4700万円流出したことを意味する。深刻な状況だ。

負債が246億円に膨れ上がっている

さらに、土地や建物といった固定資産の取得および売却など投資活動で増減したキャッシュの量を示す「投資CF」は40億円のマイナス(同37億円のマイナス)だった。一方、金融機関からの借り入れなど財務活動で増減したキャッシュの量を示す「財務CF」は借金をするなどで10億円のプラス(同16億円のプラス)だった。

これらなどをトータルした19年1~6月期のキャッシュの増減額は32億円のマイナス(同16億円のプラス)だった。これを受け、期首に67億円あったキャッシュは半減に近い34億円となってしまった。

こうしたキャッシュ不足を補うためか、借金である「長期借入金」が急激に増えている。19年9月末時点で92億円となっているが、3カ月前の6月末時点(59億円)から33億円増えた。1年前の18年9月末時点(43億円)と比べて、49億円増えている。急速に借金に頼らなければならない状況に追い込まれていることがわかる。また、長期借入金の増加などで負債は246億円に膨れ上がっている。