前回の消費増税より、今回のほうが落ち幅が大きい
11月28日、経済産業省が10月の商業動態統計の速報値を発表しました。それによれば消費増税直後である10月の小売販売額は前年同月比で7.1%減でした。増税の影響に加えて9月の駆け込み需要から10月の小売販売額は当然落ちるということは想定されていました。
それでは、この7.1%減というのはどのようなレベルなのでしょうか。
一番わかりやすい比較でいうと、前回の増税があった2014年4月の小売販売額は前年同月比で4.3%減だったということです。つまり今回の増税での減少額のほうが大きかったことがわかります。経産省の分析によれば10月に台風被害が起きたことも、小売りの販売減に影響しているということです。
「まあそういった影響もあっただろうな」とは思います。しかし今回の速報をストレートに見ると、やはり消費増税の影響で来年の景気は悪いほうに向かうことが想像できる。なんとなく嫌な速報数値だというのが私の第一印象です。
もう少し詳しくみると、どう悪くなるのかが見えてきます。今回の記事は数字が多くなるので「いやだ」と感じる読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、来年の景気予測について重要なことを書きますので、できれば我慢してお付き合いいただければと思います。