「とても敏感な人」(Highly Sensitive Person)が対人関係や仕事でストレスを溜め込まないためにはどうすれば良いか。HSP専門カウンセラーの武田友紀氏は「私は親しみを込めて『繊細さん』と呼んでいます。繊細さを長所と捉え、自分のルールを作ると葛藤疲れに対処できます」という――。
※本稿は、武田友紀『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
「いつも私だけ忙しい」を抜け出す
これから繊細さんが働くうえでぜひ身につけていただきたい、とても大切な習慣をお伝えします。
「同僚のフォローをしているうちに、大変な仕事が自分に集まるようになった」「やらなきゃいけない仕事があるのに、みんな忙しくて手が回らないから、私が引き受けて夜遅くまでやっている」
こんなふうに、職場における繊細さんたちの「最大の悩み」は、とにかく忙しくなりがちなことです。なかには「もう少し時間に余裕がほしいと思って転職するけれど、どの仕事でもいつの間にか忙しくなる」と話す人もいます。
なぜ、繊細さんは忙しいのでしょうか?
繊細さんは非・繊細さんより多くの物事に気づくため、気づいたことに片端から対応していると、処理する量が単純に多くなり疲れ果ててしまうのです。そのため、気づいたことに半自動的に対応するのではなく、対応すべきものと放っておくものを自分で選ぶ必要があります。
具体的には、自分の行動を「気づく」と「対応する」に分けて考えます。
繊細さんは、作業する、メールを見る、といったごく普通の行動をしているだけで、「この部分に無駄がある。こうすればもっと効率化できるんじゃないか」「この問い合わせには、こちらの状況も伝えておいたほうがいいだろう」などと、次々と改善すべき点に気づきます。