これはOK。繊細さんにとって「気づく・気づかない」は、自分の意志でコントロールできるものではないのです。

「気づく」と「対応する」に分けて考える

さて、ここからが肝心。気づいたことに対応するかどうかは、自分に余裕があるか見ながら判断します。たとえば、メールの返信で、「聞かれたことに答えるだけではなく、こちらの状況も伝えたほうがいい」と気づいたとき。

サクッと状況を伝えられるなら対応してもOK。もし、状況を同僚に確認し、言い回しや伝える順番を考えて、資料も添付して……と、芋づる式にやったほうがいいことが出てきたら、いったん手を止める。

時間をかけてでもやるべきことなのか、考えてみてください。ときには「気づいても対応しない」という選択も必要です。

なぜかいつも忙しくなる、仕事が溜まっていく。そんなときは「気づいたこと全てに対応しようとしていないか?」を振り返ってみてください。心身ともに健康に働くためには「対応すべきことを自分で選ぶ」「致命傷でなければ、対応せずに放っておく」ことがとても大切なのです。

気づかないあの人の真似をしてみよう

前の項で、「対応すべきことを自分で選ぼう」と書きました。「職場でそんなことできない!」と思った方もいるかもしれません。ですが、生命に関わる場合を除き、「気づいても対応しない」という選択肢は存在します。

実際、職場を見渡すと「自分より気づかない人」あるいは「気づいても対応しない人」がいるのではないでしょうか。

電話が鳴っても出ない人、仕事が残っていても定時になれば「お疲れ様です」と切り上げる人、改善を提案しても「そうしたほうがいいのはわかるけど」と現状のやり方を続ける人。繊細さんにも、「気づかないあの人」「動かないあの人」と同じように振る舞う選択肢があります。

あれもこれもと仕事に追われるときは、気づかない同僚を思い浮かべて、「あの人でもここまでやるだろうか」と考えてみてください。「やらないかも」「もうちょっと手を抜くかも」と思ったら、自分も手をゆるめてみる。気づかない同僚をモデルに、少しずつ自分の「やらなきゃ」の縛りをゆるめてみましょう。