(1)人材発掘

「2008年の労働力は現在より15%減少すると予測している研究結果を見ると、心配せざるをえない」と、デロイト&トウシュのシンシナティ地区ディレクター、ビル・バグリーは言う。労働力の減少というこうした予測があるだけに、マネジャーが適所に適材を得ることはなおさら重要になる。あなたに最高の人材を獲得する能力があれば、あなたは欠員が出るたびに自分のグループの競争力を高められるだけでなく、グループの他のメンバーのやる気を持続させることもできる。新しい人材が入ってくることは、同じメンバーが長年一緒にいることで生じる「知識の硬直化」を防ぐ効果がある。

適所に最高の適材を得るためには、「(そのグループに関連した)総合的な職歴が他の求職者のそれより際立ってすばらしい」人々が候補者として選ばれるよう取り計らわなくてはいけない、とアールリクスは述べている。もはや「選定・採用プロセスのすべての面を人事部に頼るという受け身の姿勢」をとっているわけにはいかない。

「求めている候補者かどうかは顔を見ればわかる」というような姿勢をとってはならないと、アールリクスは忠告する。そのような姿勢は捨てて、あなたの面接スキルが他の専門的スキルに劣らず鋭く研ぎ澄まされているようにしておかなければならない。最終決定を行うにあたっては、採用しようとしているポジションでの卓越したパフォーマンスに特に必要とされる能力を最も重視して考えるべきだ。人事部と協力して、採用しようとしている各ポジションでの成功に最も不可欠な5~7つの行動を特定しよう。それらのポジションで卓越したパフォーマンスを示している現職社員がいる場合には、彼らと個別に話をして、彼らが強調する他の行動で、リストに加えるべきものがあればそうしよう。

(2)関係構築

「人材発掘については多くの企業がうまくやっているが、選んだ人材を育てることに十分な関心を払っている企業はこれまでのところ多くは見当たらない」と、ライト・マネジメント・コンサルタンツ、インディアナポリス事務所の上級副社長兼常務取締役、ジャック・ロバートソンは言う。「『君は優れた仕事ができると判断されたから雇われたんだ。なぜ君を育てる必要があろう』という傾向がまだ強い」

社員がノウ・ハウ──専門的能力に必要なハード・スキル──を磨く手助けをするために自分が果たすべき役割はほとんどのマネジャーが認識しているが、社員が卓越した仕事をするために必要な「ノウ・フー」(人間関係スキル)を磨く手助けをする方法には、多くのマネジャーが無関心なのだ。