「柔らか青豆の温サラダ」は隠れた人気メニュー

先ほどは「極端な言い回し」と書きましたが、私個人としても実はO氏の発言におおむね同意です。実際サイゼリヤに行ってドリアを頼むことはありませんが、アペタイザーは必ず何品か頼みます。スープも外せません。歴代のメニューで見ると、ミネストローネなどの「季節のスープ」かマッシュルームスープがお気に入りです。

状況とタイミングが許せばワインも飲みます。そのうえでおなかに余裕があればパスタも追加しますが、サイゼリヤではデザートを外せないのでパスタを諦めることが多いかもしれません。

数年前、サイゼリヤのこういう使い方を紹介するブログ記事を書いたら盛大にバズったことがあります。そのときに「わたしも普段からそういう使い方をしています!」という報告を思った以上にたくさんいただきました。

またその記事を参考に同じように試して以来それにハマったという嬉しい報告も続々といただいています。それらのなかで特に支持を得たメニューに「柔らか青豆の温サラダ」(199円)がありました。パスタやドリアを中心に食事しているお客さんがこれをオーダーしているのはあまり見たことがありませんが、実はこういう使い方をする人々には超人気メニューなのです。

安いからこそTPOに合わせて自由な楽しみ方ができる

こうした使い方をすると、総額もさすがに1500円くらいはいってしまいますし、パターンによってはもっとになります。告白すると私は一人で3000円を超えてしまったことがあります。明らかに食べすぎですし酒も飲みすぎです。3000円はともかく、こうなるともはやファミレスとして安いとは言ってられなくなるかもしれません。

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そのかわり満足感は圧倒的です。もちろんたくさん食べたという満腹感だけの話ではなく、ちゃんとおいしいものをバランスよくいろいろ食べられた! という充足感です。例えばこれだけの満足感のある食事を普通のイタリアンレストランで食べたら金額は倍どころでは済みません。それはやっぱり安いと言い切っていいのではないかと思います。

確実に言えることは、730円でパスタやドリアを中心に食事をするマジョリティ層にとっても、1500円で本格イタリアンレストランばりのフルコースを楽しむこだわり層にとっても、それに加えてビールやワインを飲む人々にとっても、サイゼリヤは間違いのない価値を、いつだって提供している素晴らしいレストランである、ということなのだと思います。

一品一品が低価格だからこそTPOに合わせて自由にさまざまな楽しみ方が工夫できる、それこそがサイゼリヤにおける安さの本質と言えるのではないでしょうか。

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