1分でも空くとスマホを取り出す人はスマホ脳かも

たとえば、みなさんは次の項目に心当たりはないでしょうか。

□ほんの1分でも時間が空くと、すかさずスマホを取り出すのが習慣になっている。
□食事中やお風呂、トイレに行くときもスマホを手放さない。
□スマホは「いつでもすぐ手にとれる場所」に常にスタンバイしてある。
□深夜にネットショッピングをしたり、ネット情報をサーチしたりすることが多い。
□SNSへの投稿をしていて、自分がアップした内容が他人からどう評価されたかが常に気になっている。
□「自分が情報に乗り遅れること」や「みんなが知っている情報を自分だけ知らないこと」に対して不安や恐怖を覚える。
□スマホの着信音やバイブレーションの「空耳」が聞こえるときがある。
□夜、寝床に入ってからもスマホをいじっている。

上のリストを見て、「これ、自分にも当てはまるかも」という項目が多い人ほどスマホ脳のリスクが高いことになります。

情報のインプットばかりだと脳も“メタボ化”する

私は、スマホ脳とは、脳が「情報メタボ」に陥ってしまった状態だと考えています。

そもそも脳という器官は、インプットした情報を考えたり吟味したりしたうえで、判断や行動としてアウトプットすることで機能しています。分かりやすくたとえるなら、インプットが「食事」であり、それをもとにして行なうアウトプットが「活動」や「運動」だと思ってください。

ところが、スマホ脳の状態になると、日々過剰な量の情報インプットがあるのに対して、それらの情報をもとにして行なうアウトプットが極端に少なくなる傾向があります。

すなわち、食事が多いのに活動や運動が少なければメタボになるのと同じように、情報インプットばかりが多くてアウトプットが少ないため、脳が「情報メタボ」のような状態に陥ってしまうわけです。

そして、こうしたインプットばかりが多いアンバランスな状態が続くと、脳の疲弊が進みやすくなるのです。具体的に挙げると、前頭葉の機能が低下して、思考力や判断力、集中力、意欲、コミュニケーション力などが鈍ってきます。

また、もの忘れやうっかりミスが増えたり、会話の反応スピードが落ちたり、つまらないことに固執したりするようにもなります。さらに、感情のコントロールがうまくいかなくなり、急に怒り出したり突然塞ぎ込んで泣き出したりすることもあります。

それに、ネットやSNSの他人の言動に影響されて、突飛なことを言い出したり場違いな行動をとったりするようになる場合も少なくありません。

SNSに匿名の投稿や書き込みをしている人の中には、自分の意見と相容れない特定の個人を執拗に攻撃したり、他人の書き込みにいちいち感情的になって振り回されたりしている人も目立ちます。

このように、スマホ脳に陥って頭の中が「情報メタボ」になってしまうと、実にさまざまな脳疲労・脳過労の症状が現われるようになるのです。