ファーストリテイリングも堅調

ワークマンと、ユニクロを展開するファーストリテイリングの業績はともに好調だ。ワークマンの19年3月期単独決算は、売上高が前期比19.4%増の669億円、営業利益は27.6%増の135億円、純利益は25.1%増の98億円だった。積極的な出店で店舗数が増えたことに加え、既存店が好調だったことが寄与し、大幅な増収増益となった。

一方、ファストリの19年8月期連結決算(国際会計基準)は、売上高が前期比7.5%増の2兆2905億円、営業利益が9.1%増の2576億円、純利益が5.0%増の1625億円だった。

このうち、国内ユニクロ事業の業績は、売上高が0.9%増の8729億円、営業利益は13.9%減の1024億円だった。既存店売上高が1.0%増と堅調だったため同事業の売上高は増収となったが、暖冬の影響や春夏商品の早期の在庫処分により粗利益率が低下したことが響き営業減益となった。

ワークマンの課題は売場効率の向上

ワークマンとユニクロは「機能性が高い衣料品を自社で開発して低価格で販売することを強みとしている」という点で共通しており、それが急成長の大きな原動力となってきた。この一致は偶然ではないだろう。同業他社は学ぶべき点が多くあるのではないか。

もっともユニクロは国内では飽和に達しつつあり、今後は大きな成長が望めそうもない。一方、ワークマンはこれからだ。店舗数はユニクロを上回っている。今後、1000店体制となるのも十分ありえる話だ。当面の課題は売場効率の向上だろう。店舗数に比べて、ワークマンの売上高はユニクロよりもはるかに小さい。ユニクロと競合するような駅前立地に出店した場合に、十分な売り上げを確保できるか。今後の展開を注視していきたい。

【関連記事】
ソフトバンクが倒産したら日本はどうなるか
ライトオンを苦しめる「若者のジーンズ離れ」
セブンが勝てない「最強コンビニ」の秘密
コナカが不振のサマンサを買収した切実な理由