ベーシックなデザインで大量生産を実現

ワークマンはこういった機能性が高い商品を低価格で販売することで成長を遂げた。近年はファッション性も高まっており、競争力が大きく高まっている。

PBの3ブランドで低価格を実現できているのは、一般客もプロ客も利用できるベーシックなデザインが中心だからだ。それゆえ10万着単位での大量生産ができる。生産コストを大きく低減したうえで、プロ客向けの店舗でも販売ができるため、全国800店超の店舗網を存分に活用できる。

実はワークマンの店舗数は、ユニクロ(国内)よりも多い。8月末時点の店舗数はユニクロが817店なのに対しワークマンは843店だ。ユニクロの店舗数は減少傾向にあるが、ワークマンは増加傾向にある。

写真提供=ワークマン
ワークマンプラス テラスモール松戸店

特に増えているのが一般客向けの「ワークマンプラス」で、全国843店のうち31店を占めている。展開から約1年でこれだけ増えているのだ。ワークマンは「2025年1000店体制」を目指しているが、今後の出店はほぼ全てワークマンプラスで行うという。ユニクロとの店舗数の差は今後さらに広がっていくだろう。

ワークマンとユニクロの共通項

ワークマンとユニクロは似ているところが多い。特に共通するのが「機能性の高い衣料品を低価格で販売する」というコンセプトだ。

またビジネスモデルも似ている。ユニクロは製品の企画・開発から生産、物流、販売まで一貫して手がける製造小売り(SPA)として知られているが、ワークマンもSPAを志向している。自社開発製品の割合は35%とまだまだだが、年々高まっている。

一方で店舗展開の方式は大きく異なる。ユニクロは直営店がほとんどでフランチャイズ店は5%ほどにすぎない一方、ワークマンは直営店が少なく、9割程度がフランチャイズ店だ。ただ、この違いは成長を遂げる上では大きな意味を持たない。どちらも一長一短があり、どちらか一方が優れているということではない。単に手法が違うというだけだ。