1/3は強制退学、1/3は留年、1/3がストレートで卒業
そんな「入るのも簡単、学費も安い」東欧の医学部ですが、実は入ってからが大変で、「ひと学年の1/3は強制退学、1/3は留年して卒業、そしてたった1/3がストレートで卒業できる」と言われています。私も入学式の次の日から初めの2年間は勉強漬けの毎日でした。入学した学生の70%程度が留年せずに卒業する日本の大学医学部とは、大きく状況が異なります。
また、大学卒業後に日本の医師国家試験を受験するためには、帰国後に厚生労働省への書類申請と日本語診療能力調査の両方を通過することが条件です。並行して、日本語で医学を勉強しなおさなければなりません。そのため、将来日本で働くことを希望する学生は、日本の病院の様子を見るために、在学中の研修を日本で行う人が多いです。ハンガリーの大学では、進級要件に学年ごとの必須研修があります。それは日本の病院で行うこともでき、つくば記念病院、岡山大学、順天堂、慶應、獨協医科大、国立国際センターが受け入れ先として指定されています。
また、国家試験対策としては、つくば記念病院や岡山大学が、卒業後の8月から2月の試験までの半年間、対策プログラムを実施しています。予備校に通って準備をする人もいます。私もどちらかを選ぶ予定です。
ただ、それでも日本の医師国家試験に合格できるとは限りません。ハンガリーの医学部卒業生の合格率は2017年度が56.5%、2018年度は68%でした。
決して平坦な道のりではありませんが、世界中から集う学生とヨーロッパで医学を学ぶことで、日本では学べない「多様性」を体験できます。これは自分の視野を広げ、将来、日本だけでなく世界の医療の貢献になると信じています。まだ学生身分の私ですが、今できることを精一杯やり、今後につなげていきたいと思っています。