現地の予備コースに約1年通い、医学部を受験
現地では英語の文法や読解、会話力を学ぶための英語コースに3カ月間、医学部入試に備えるために生物や化学、そして医療英語を勉強する予備コースに約1年間通いました。
英語コースは45万円、予備コースは75万円(当時の為替1ユーロ:130円で計算)程で、日本の大手予備校と同等か少し高い程度でしょうか。また、予備コースの内容は、日本で生物・化学を履修していた人にとっては簡単だったと後から聞きましたが、高校理科をきちんと勉強したことがない私には毎日の予習復習が欠かせませんでした。
そして医学部入学試験。筆記試験と口頭試験があり、筆記試験では一般英語の知識を中心に医療英語や生物・化学も少々、そして口頭試験ではきちんと英語で会話ができるかを問われているようでした。試験官の先生からは「どうしてこの大学にしたの?」「ここ落ちたらどうする?」などの質問をされましたが、終始アットホームな雰囲気でした。
そして入試の約一週間後に合格通知を受け取り、2014年9月に現在在籍するセンメルワイス大学医学部に入学しました。
学費と生活費を合わせて年間300万円程度
ハンガリーには4つの国立大学医学部があり、私の通うセンメルワイス大学は首都ブダペストにあります。
センメルワイス大学にはハンガリー語、ドイツ語、そして英語の3コースがあり、英語コースにはノルウェー、イスラエル、スウェーデン、イラン、アメリカ、スペイン、カナダ、ギリシャ、日本、キプロスなど世界各国から学生が集まっています。ハンガリーの医学部では、ハンガリー語コースは無料で提供されており、英語コースとドイツ語コースからの外貨で学校を経営しているそうです。
一番物価が高く、学費も高いと言われている首都でも、学費は年間170~180万円、生活費は月10万円程度。年間約300万円でまかなえます。
ハンガリーの医学部は日本と同じく、高校を卒業して直接医学部に進学し、6年間の教育のうち2年で基礎医学、残り4年で臨床医学を学びます。特徴的なのは、臨床医学に力を入れていることです。座学は全て5年次までに終わらせ、6年次は丸1年、各科をローテーションで研修するカリキュラムとなっています。
その他にも、1年終了時には看護研修、3年では内科研修、4年では外科研修が1カ月ずつ必須となっています。もちろん、病院に来る患者さんはほとんどがハンガリー人なので、問診や診察ができる程度のハンガリー語も学びます。