直近の誌面で考察してみたい。10月17日号で「『秋篠宮邸』に響く怒声」という記事を掲載している。

長女の婚約問題、次女の奔放な振る舞いなどが影を落としているとはいえ、「秋篠宮家の事情を知るさる関係者」が、「実は、御代替わりを迎えた後、秋篠宮殿下と紀子妃殿下が、宮廷で頻繁に言い争いをなさるようになっているのです」と、夫婦のごく私的なことまで明かしているのだ。

さらに、「(紀子妃=筆者注)ご自身も含め、ご一家の世間での受け止められ方にきわめてナーバスになっておられます。お出ましを報じるニュースや、ご家族の評判について、ネットを使っていわゆる“エゴサーチ“をなさることも度々あり、そこに展開される否定的なコメントに、言葉を失っておられるのです」と語っているのである。

「ご夫婦は一緒に居たくないのでは」とまるで離婚寸前のよう

紀子さんが、エゴサーチをしているというのは、にわかには信じがたいが、そこに出てくるのは新潮や文春、女性週刊誌などの伝聞推定をもとにした秋篠宮家についてのよくない噂である。そのようなものを見れば、紀子さんでなくても気が滅入めいること間違いない。

秋篠宮が時に短気を起こし、「挙げ句、妃殿下が涙を見せられることも珍しくなく、時には泣き崩れられることもあります」(同)。そういうことが続いているため、「ご夫婦は現在、ご一緒にいたくないのではないか。そう訝る声が、庁内からも上がっています」と、まるで離婚寸前のようだと報じているのである。

週刊誌は噂を拾い集めて真実に近づこうというメディアである。それに「牽強付会けんきょうふかい」が得意技である。出所がよくわからない情報をもとに、だとしたら何々であると、都合のいい結論へと読者を誘導する手法である。だが、その手法を、皇室記事に使い過ぎるのは、褒められたものではない。

その前の号では、天皇陛下と雅子皇后が、初めて「お召し列車」で移動したとき、沿線では、多くの市民や鉄道ファンが、カメラを構えて待っていたにもかかわらず、2人が姿を見せなかったと報じている。

上皇ご夫妻は、必ず車窓から手を振られ、国民の歓呼に応えていたのにと、鉄道ファンを中心にSNSに書き込みをしたことから、騒ぎに発展したというのである。

しかし、天皇ご夫妻はその時、打ち合わせをしながら昼食をとっていたため立ち上がれなかったので、その後で両陛下は立って窓の外に手を振っていて、それを示す写真もネットに上がっているというのである。週刊誌お得意のマッチポンプ的書き方の見本のような記事である。