設備の充実だけがウリのホテルは足をすくわれる
また2018年に、Aカードホテルシステム(独立系ホテルのキャッシュバックポイントカードを運営する企業)のアンケート調査「出張ビジネスマンのホテル利用実態」によると、「今後望むもの・今までにあった便利なもの」では、「朝食の提供」(35%)、「朝食の質・味・充実」(16%)とともに、「大浴場に関する要望」(11.5%)が挙がる。
競合では今回、顧客満足度1位となった「ドーミーイン」が大浴場をウリにする。一方、大浴場は設置に多額の費用がかかり、メンテナンス費用もかさむ。リッチモンドホテルが「3点分離」を進めるのも、そうした点が影響しているのだろう。
どの業界でも「人手不足」が課題になるなかで、リッチモンドの人づくりは際立っている。好待遇でピカピカの人材を集めても、定着するかどうかはわからない。自社に愛着をもつ人材をどれだけ育てられるかは、飲食など他業界でも重要度が増している。
今後、設備の充実だけがウリのホテルは、そのうち足をすくわれるだろう。リッチモンドの健闘からは、そうした予兆が感じられた。