トイレとバスの同室を好まない人が増えた

九州有数の繁華街・福岡県福岡市の天神地区――。老舗百貨店・岩田屋の近くにあるのが「リッチモンドホテル天神西通」だ。開業したのは今年3月22日。全国に40以上の施設を展開する同社において、福岡県内で3棟目、天神エリアでは2棟目のホテルだという。

部屋数は220室。室内はモデレートシングル(ダブル)タイプ以外の客室は「3点分離」となっている。3点分離とは、トイレ・バス・洗面台を別々に設置するもの。利用者の室内で過ごす快適性への要求が高まるにつれて、従来の3点一体型(3点ユニットバス)は好まれなくなった。特にトイレとバスの同室を好まない人が増えたのだ。

画像提供=アールエヌティーホテルズ
「スーペリアツイン」の客室。バス・トイレ・洗面台がそれぞれ独立。奥にみえるのが洗面台だ。

ちなみにリッチモンドホテル全体の客層は「男性客が7割強、女性客が3割弱。コア利用年代は男性が40代と50代、女性が20代と30代」(広報担当)だという。

宿泊客への「アメニティ」で、女性客の評価が分かれやすいのが、シャンプーやコンディショナーだ。これは髪質や好みによるが、同ホテルではノンシリコンタイプの製品を用意している。過去には顧客の要望に応え、部屋の消臭剤を花王と共同開発したこともある。

直営41施設の朝食内容はすべて違う

「当ホテルは、ホテル会員の利用が非常に多いのが特徴です。現在約99万人の会員がおられ、その4割が毎年ご利用されます」

こう話すのは運営会社・アールエヌティーホテルズ西日本営業部部長の三宅一平氏だ。出身は埼玉県久喜市だが、入社後に国内各地の施設勤務などを経て、現職に就いた。

ここでいう会員とは、年会費無料の「リッチモンドクラブ会員」で、部屋の予約や宿泊料金などが優遇される。会員カードを発行するホテルは珍しくないが、利用率が非常に高い。特に人気メニューなのが朝食だ。

「現在は、直営で41施設ありますが、朝食の食事内容はすべて違い、地域色を打ち出しています。『天神西通』では施設1階のロイヤルホストで提供しますが、九州名物のさつま揚げ、筑前煮、辛子明太子、辛子高菜もそろえています」(三宅氏)

撮影=プレジデントオンライン編集部
リッチモンドホテル天神西通の朝食ビュッフェ。1階にあるロイヤルホストで提供される。