雑誌を「さもしい」と一気に蹴落とす毎日社説
次に毎日社説。
「雑誌が『本音のメディア』であることは否定しない。際どい手法を用いながらも、ゲリラ的に権威や権力に挑むことでジャーナリズムを活性化させてきた歴史はある」
「雑誌は本音のメディア」とは実に良い指摘である。この毎日社説を書いた論説委員は、新聞とは違う雑誌の役目をよく分かっている。
ところが毎日社説は次にこう書く。
「しかし、今回の特集はそれらと次元を異にする。日本社会の一部にはびこる韓国人への偏見やヘイト感情におもねり、留飲を下げる効果を狙ったのではないか。だとすれば、さもしい姿勢と言わねばならない」
褒めあげてから「さもしい」と一気に蹴落とす。まるでジェットコースターのようだが、さっきほどの「雑誌は本音のメディア」のくだりはほめ殺しだったのか。
毎日社説は「背景にはネットメディアの伸長に伴う雑誌不況があると言われる。従来型の記事では売れないため、あえて偏向表現を多用するものだ。日韓の政治対立が深まる今、韓国は格好のターゲットになっている」とも書く。
ならば雑誌はどう勝負すればいいのか。新聞にしてもこの時代、これまでの同じ路線の記事に頼るばかりでは経営が成り立たないはずだが、そのあたりを毎日新聞はどう考えているのだろうか。