「知恵を出し合え」と逃げの社説に終始する東京新聞
東京社説は最後にこう書く。
「今後、国連総会や天皇陛下の『即位の礼』、日中韓首脳会談など首脳クラスが顔を合わす機会が続く。市民の交流に水を差さないためにも、関係修復に向け、知恵を出し合ってほしい」
「知恵を出し合う」というのは、社説を書く論説委員が困ったときの常套手段である。逃げの社説だ。「即位の礼」で外交問題を持ち出すのも良くない。
東京社説には日韓関係の悪化を解決する具体策を示してほしかった。
韓国政府は9月11日、日本政府による対韓輸出規制の強化についてWTO(世界貿易機関)に「協定違反だ」と提訴した。対韓輸出規制の強化とは、半導体材料など3品目の輸出管理厳格化措置(7月4日発動)のことで、ルールに基づいた規制強化の第1弾である。韓国は第2弾のホワイト国(輸出優遇国)外しについても、提訴をにおわせている。
今後始まるWTOでの審議は、日本の正当性を国際社会にアピールする絶好の機会である。
自国の利益を最優先に交渉を進める。これが外交の基本だ。時には優しく謙虚に、時には狡猾に激しく。日本政府はWTOの審議の場で、日本の正当性を毅然と主張してほしい。