半年間は謹慎させるが、その後は監督にも復帰させる

国士舘高校もAさんの父親から「どうしてこんなことになったのか調べてください」と連絡を受けてから、校長や各学年の主任が中心となって調査した。

その結果、Aさんへの「行きすぎた指導」「過度にやりすぎた指導」と、その他の部員への暴力の事実を認め、6月25日には「7月1日から半年間、剣道部の監督と寮の舎監の職務を謹慎させる」という処分を下した。一方で、学校の授業はこれまで通り担当させるとした。

謹慎処分を聞いたAさんの父親は、「処分が軽すぎるのではないか」とすぐに学校に抗議した。半年後に監督に復帰させるというのは、その場しのぎの対応に思えたからだ。なぜ学校側の処分は軽かったのか。その真意は7月18日に初めて開催された保護者説明会で明らかになった。

「高校で強くして大学に行かせたいから付属にしている」

説明会では、まず校長が経緯を説明した。調査によって確認できた事実を報告しているのだが、ところどころで言い訳のような言葉が並んだ。たとえばAさんが法学部への進学を希望したことについて、校長はこう発言した。

「本人の希望が一番ですが、特に柔道、剣道は、中学・高校・大学と言われます。中学で強くなってもらうのは、それは高校に来てもらいたいから付属を作っている。高校で強くして大学に行かせたいから付属にしているわけです。柔道部もそうですが、強くてレギュラーだった子が、どんどんよそに行ってしまうと意味がないということで、経営者からもそれは方針が違うだろうと言われることもあります。付属はそういうことになっていると思います」

そして剣道部の部長を務める教員は、終始監督をかばった。

「なぜ厳しくするのかというと、先生もうちの卒業生です。何よりも子どもたちへの思いがあります。強くするのもそうですし、人間的に成長させたいからです。愛情も持っております。確かに厳しく、だめなときにはそういう言葉を使うこともあります。ただ厳しいだけではなく、いい成績を出した者、頑張っている者にはご褒美もあげることもあります」