貯金できない体質をどのように改善すればいいのか

次に、「備え」について説明しました。

前述したように預貯金が減った大きな要因には、父の治療費がありました。特に先進医療である陽子線治療を受けたことで325万円の出費が大きかった。しかし、現在取り扱われている医療保険には先進医療特約があり、それを付けていれば、技術料はもとより、交通費やホテル代をカバーできるものもあることを説明。さらにがん診断給付特約を付けておけば、まとまったお金を受け取ることもできるので、終身医療保険に加入することを提案しました。

「いざというときに頼れる命綱を作っておくことは大事です。入院や手術をしたり、がんと診断されたりしたときに頼りになる終身医療保険に入っておくことで預貯金の目減りを防げます。また、死亡保障に関しても、掛け捨てではなく、資産としても役に立つもので備えておきましょう。大きな死亡保障にはなりませんが、お葬式代や当面の生活費に活用できます」

これを受けて、母親が「保険は必要だと思うので、前向きに検討したいです」と、ふたりのアラフォーの子供たちは大きくうなずいた。

最後に、貯める仕組みについて説明しました。母親は「お金があると使ってしまう」ということなので、貯めるお金と使うお金にわけて管理することを提案しました。

(A)給与・年金口座に残すお金(水道光熱費、通信費)→4万円
(B)現金で引き出すお金(食費や日用品費等の生活資金、小遣い、医療費、貯金)
→給与・年金として振り込まれた金額から(A)4万円を差し引いた全額

にわけて、さらに(B)を、

(C)食費など生活資金→7万円(週1万円×5週+予備費2万円)
(D)母小遣い→3万円
(E)医療費→1万円
(F)貯金→(B)から(C)~(E)を差し引いた残り

にわけておきましょう、と伝えました。

キャッシュカードは財布に入れず、入金するときだけ持ち歩く

貯金は比較的金利のよいネット銀行などを活用して、給料が入金されるごとに、預け替える。貯金用口座のキャッシュカードについては、普段は財布に入れず、入金するときだけ持ち歩くようにしておけば、なかったものとして暮らしていける。

原始的な方法ですが、普段使いの預金口座に必要以上のお金を入れておかないことで、浪費の抑止力になります。

「使えるお金を整理してもらえたので、とてもやりやすいです。お兄ちゃん、手伝ってくれるよね?」
「大丈夫です。問題なくやれそうです。給料日に現金を引き出して、使うお金と貯金に振りわけるのも、自分がやります」

以上の見直しを行った結果が図表4です(今回の改善案を実行したことで変化のあった箇所は赤字で表記)。3人とも、「これでやってみたい」というので、改善案を実行することを決めて、2カ月後に再び会う約束を交わしました。