定額小遣い制の子どもはいずれ社畜サラリーマンになる
とりあえず従順に働いていれば、給料はもらえる。年齢を重ねれば、なんとなく給料は上がる。だから、命令されれば残業もする。そんな社畜的な社員は今の時代、肩身が狭くなる一方だ。
それと同様に、1年が経過して進級・進学するだけで自動的に小遣い額が増える仕組みを当たり前だと思っている子どもは、社会人になってもそんな緩くてズルい考え方から抜け出せず、ただ会社に籍を置くことに必死で、それにしがみつくようになってしまうリスクがある。同期入社でも実績次第で、大きな給与格差が出る企業が増えている中、そうした人材を企業は雇用し続けるだろうか。
子どもをひとりで食べていけるように育てるのが親の務め
菅井さんは「教育の基本は、子どもを自立させること」と言い切る。
「いい学校に行かせて、いい会社に入れることが教育と考えている人が多いですが、そうではありません。教育の真の目的は自立、つまりちゃんと子どもが自分で食べていけるようにすることです」
自分で食べていける人間になるには、お金の教育は切っても切り離せない。ならば、小遣いも年次が上がるごとに増える定額制ではなく、働きに応じてもらえる報酬制にしたほうがいい。
菅井さんはこれからの社会では「稼ぐ力」「管理する力」「受援力」という3つの力が必要になるという。小遣いを定額制ではなく報酬制にするという考えは、このうち「稼ぐ力」に該当する。