※本稿は、霜田明寛『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)の第1部「努力の16人――2 木村拓哉」の一部を再編集したものです。

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何でもできちゃう男は、こうして作られた

自分のありたい未来像に強烈な意志を持ちながらも、決して“我”を張らない。

ジャニーズの中でもとりわけ“天才”“スター”といった形容がしっくりくる男・木村拓哉の人生は、自分の未来を信じることと、自分の力を過信しないことの絶妙な間にありました。

『ロングバケーション』『ビューティフルライフ』『HERO』といったヒット・ドラマが並ぶ彼のキャリアを見ると、ずっと第一線を走り続けてきた人のような錯覚を覚えます。

しかし、SMAP自体が、デビューと同時にブレイクしたグループではないのと同じく、木村拓哉自身も、最初からスターだったわけではないのです。彼は流されるままに、今の立ち位置を獲得したわけではありません。

木村拓哉の努力について、SMAP結成初期から一緒に仕事をしていた放送作家・鈴木おさむはこう語っています。

「『SMAP×SMAP特別編』で、インディアンの村に行く企画があったんですけど、そのときも、投げ縄とか、ひとつでもできないことがあったら、カメラが回ってようが回ってなかろうが、納得行くまで続けているんです。“木村拓哉って何でもできちゃうよね”って言う人は多いけど、何でもできちゃうように、彼はがんばっているんですよね。木村拓哉はまさに“努力”の人(※1)

木村拓哉もまた、努力で自分を輝かせていった人なのです。