ニュートンのように巨人の肩の上に立つ

ケンブリッジでの修業で、何より今も役に立っているのが毎週の課題レポートでした。指導教官から課題図書を指定され、自分の考えをまとめたレポートをもとに教官と議論します。考え方の偏り、独りよがりな点などを厳しくチェックされ、思考を徹底的に鍛えあげる濃密な知的訓練です。

その際に叩き込まれたのが、参考文献の読み込みでした。1つ論文を読めば、その最後に参考文献が記されています。それらをすべて読むように指導されました。読んだ文献の最後にはまた参考文献が記されていて、それも全部読む。論文を一本読めば、そこからピラミッド状に参考文献のすそ野が広がっていきます。こうして先行研究すべてに目を通す網羅的な学び方を叩き込まれました。

これは、ケンブリッジ大学出身のニュートンがかつて語った、「巨人の肩の上に立つ」ということに通ずるものです。偉大な先人たちが積み重ねたものを徹底的に読み込むことが大切です。

ビジネスパーソンの勉強でも同じことが言えるでしょう。例えば読書をするとき、いいなと思った著者がいれば最新刊からデビュー作までさかのぼって読むと、その人の思考の軸をより深く理解できるようになります。また、文中で引用している本があれば、その本を読んでみたり、類書があれば類書も読んでみたりすることもいいでしょう。おすすめの勉強法です。

(構成=竹林篤実 撮影=石橋素幸)
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