事業存続における大きなリスクに
女性活躍を取り入れたダイバーシティ経営の潮流に乗りおくれれば、企業価値の向上が期待できないと評価される時代になってきた。今後ESG投資基準が広まれば、男女間で不合理な賃金差が生じる企業は、投資対象から外されるリスクを負い、長期的な株価の低迷に陥ることも予想される。ダイバーシティに対する消極的な経営が原因であると分かれば、ダイバーシティに限らず従業員の働きやすさやコンプライアンスに対する意識の低い企業なのではないかという認識が社会全体へ広がることになる。
株主や投資家にとどまらず、取引先や消費者などさまざまなステークホルダーへ広がれば、企業のブランドや信用も失うことにもつながる。その結果、その企業が中長期的に成長していく魅力がないと判断されれば、優秀な人材の獲得が困難になり、同業他社との競争力の低下にもつながる。
労働力人口の減少が進む日本社会において、女性活躍の重要性やそれがもつ意味に気づかない企業やそれを経営戦略に取り込めない企業は、事業存続における大きなリスクを背負うことになるだろう。