![図表3:行動タイプと役職の関係[従業員500名以上の企業の場合]](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/5/8/670wm/img_581e5c20943ebc43c494ee6dad5f6ba16655.jpg)
図を拡大
図表3:行動タイプと役職の関係[従業員500名以上の企業の場合]
図表3:行動タイプと役職の関係[従業員500名以上の企業の場合]
闘争タイプが行動を変えなければ、出世競争の最後の階段を踏み外してしまうことが図表3から読みとれる。闘争タイプは本部長・事業部長・執行役員クラスまでは役職者に占める割合が増えていくが、取締役以上ではストンと下がる。なぜ闘争タイプのままでは取締役以上に昇進しにくいのだろうか。
社交タイプの動きがその理由を明かしてくれる。社交タイプの割合は本部長~執行役員クラスから高くなり始める。このクラスから上は、他部門や他社との折衝が増え、人づきあいや政治的配慮の比重が大きくなる。それゆえ相手を屈服させようとする傾向の強い闘争タイプは取締役や社長としてふさわしくないと判断されるのであろう。
![図表4:行動タイプと役職の関係[従業員500名未満の企業の場合]](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/2/4/670wm/img_2499ace941d8c52a837b0314168b29bc8960.jpg)
図表4:行動タイプと役職の関係[従業員500名未満の企業の場合]
しかし、本当に闘争タイプは取締役や社長にはふさわしくないのだろうか? 創業者のなかには闘争タイプの人をしばしば見かけるではないか。実は会社の規模が小さくなると、また事情は変わってくる。500人未満の企業の取締役以上の層では行動タイプの分布状態は違うのだ(図表4)。本部長.執行役員クラスでは混合タイプと闘争タイプの割合が高いが、取締役以上はどのタイプもほぼ同じ割合である。
つまり、500人以上の大きな企業のトップに闘争タイプが極端に少ないのは、官僚組織的な性格が強くなり、社交的な調整タイプのリーダーが好まれるからだと考えるべきだろう。
今回の調査から、出世のためにはキャリアのステージに応じて行動タイプを変えたほうがよいといえそうだ。しかし自分の行動様式は、そう簡単に変えられるものではない。ではどうすればよいのだろうか。